Adobe FontsをWebフォントとして使用する際のライセンスについて

Design 2020.6.15

adobefont

Adobe社が提供しているフォントライブラリ「Adobe Fonts」は、ホームページデザインにおいて、とても実用性の高いフォントを多数提供しています。

また、それらのフォントをWebフォントとしても使用することが可能です。

しかし、「Adobe Fonts」をWebフォントとして使用する際には注意が必要です。

この記事では「Adobe Fonts」の注意すべき点や、ライセンスに関する規約などをまとめまてご紹介いたします。

Webフォントを使うメリットについて

まずはじめに、Webフォントを使用するメリットについて考えていきます。

メリットはいくつかありますが、何よりも1番の利点は「メンテナンス性」と言えるでしょう。

これまでWebデザインの現場では、デザイン性の優れたフォントを使用する場合、画像でのコーディングが余儀なくされていました。

そのため、テキストに修正や変更がある度に、その文字画像の差し替えが必要になってしまい、とても手間がかかっていました。

しかし、Webフォントでコーディングができれば、更新作業はhtmlの修正のみで対応できるため、修正や更新の作業工数を大幅に減らすことができます。

そしてもう1点大きなメリットとして、文字表示がPC環境のOSに依存しない、という点があります。

Webフォントでコーディングされたテキストは、どのような閲覧環境であっても統一されたフォントが表示されます。

WindowsやMac、またandroidのスマホ端末であっても、表現したい世界観が統一できることは、デザイン面で大きなメリットといえるでしょう。

Adobe FontsをWebフォントとして使用場合のライセンスを確認

それでは早速「Adobe Fonts」をWebフォントとして使用するに際に、どのような制限があるか、「Adobe Fontsマニュアル」及び「利用規約」を確認していきましょう。

まずはじめに、2019年12月13日に公開された「Adobe Fontsマニュアル | フォントのライセンス」において、以下の事項が許諾されています。

Adobe が提供する埋め込みコードによってフォントをWebサイトに追加した場合に限り、個人または企業のWebサイトで使用することができる。

出典 : Adobe Fonts マニュアル | フォントのライセンス

上記のとおり、個人または企業のWebサイトでWebフォントの使用が許諾されております。

また、当マニュアル内ではWebサイトのページビューに制限なくWebフォントの使用が可能である旨や、HTML電子メール、ニュースレター、バナー広告での使用許諾も明記されています。

※モバイルアプリやデスクトップアプリについては、Adobe Fontを埋め込むことは許諾されていない

Adobe FontsをWebフォントとしてクライアントワークで使用する場合

しかし、クライアントワークでの使用は注意が必要です。

2020年4月16日にAdobeが発行した「Adobe Fontのサービス追加要件」の、第3条「3.3お客様がパブリッシャーのために作成した本Webサイト上での、パブリッシャーによる使用許諾コンテンツの使用」に以下のような記述があります。

お客様がパブリッシャーのために本Webサイトを作成した場合、パブリッシャーが使用許諾コンテンツにアクセスするには、アドビとの間で本サービスのサブスクリプション契約を直接締結する必要があります。

出典:Adobe Fontsサービス追加条件


少し分かりにくいので、合わせて「Adobe Fonts マニュアル | フォントのライセンス」にも以下のように明記されていますのでご紹介します。

2019年12月31日以降の再販は許可されていません。それ以降にフォントライセンスやWebフォントホスティングが中断されないようにするには、クライアントのWebサイトは、独自のCreative CloudサブスクリプションからAdobe Fontsを読み込む必要があります。

出典:Adobe Fonts マニュアル | フォントのライセンス

上記のとおり、ホームページ制作会社やフリーランスのデザイナーが、クライアントワークでAdobe Fonts使用する場合、クライアントが別途サブスクリプション契約を結ぶ必要があります。

無償アカウントでも(使用できるフォント数が限られますが)、有償アカウントと同等の権限でWebフォントの使用が許可されていますので、実際のクライアントワークでWebフォントとして使用する場合は、以下のいずれかの契約が必要となります。

■ クライアント用に無償アカウントを契約
■ クライアント用にフォトプラン(980円/月)もしくはInCopy(580円/月)を契約

まとめとおすすめフォント

いかがでしたでしょうか。

Adobe FontsをWebフォントとして使用する際は、必ずクライアント様側でAdobeの契約が必要になる点、十分注意しましょう。

しかし、収録フォントの多さや、アクセス制限なくWebフォントとして使用できる点など、非常に良い点も多いのがAdobe Fontsですので、デザイン制作では是非検討していきましょう。

最後に、Adobe Fontsでのおすすめのフォントをご紹介いたします。
Adobe Fontsの使用を検討されている方のご参考になれば幸いです。

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