リニューアルが失敗する2つの典型パターン
ホームページのリニューアルを検討する際、多くの企業様が「デザインを新しくしたい」「もっと今っぽいサイトにしたい」という気持ちからスタートします。もちろん、それ自体は自然なことです。ただし、見た目を整えることだけが目的になってしまうと、公開後に「思ったより問い合わせが増えない」「検索順位が下がってしまった」といった結果につながりやすくなります。
実務でよく見かける失敗パターンは、大きく2つです。
1つ目は、リニューアルの目的とゴールが曖昧なまま制作が進んでしまうケースです。たとえば「なんとなく古いから」という理由だけで進めてしまうと、完成後に評価する基準がありません。そのため、成果につながったかどうかも判断できなくなってしまいます。
2つ目は、既存サイトが積み上げてきたSEO評価を引き継ぐ準備をせずにリニューアルしてしまうケースです。URLの変更やページの統廃合を無計画に行うと、これまで上位表示されていたページの検索順位が、公開後に大きく落ちてしまうことがあります。
この記事では、こうした失敗を避けながらホームページリニューアルを進めるための手順を、6つのステップに沿って解説します。
ステップ1:目的・ゴールを明確にする
リニューアルの目的を言語化する
まず最初に整理すべきは「何のためにリニューアルするのか」です。以下のような問いに、社内で言葉にして答えられる状態を目指しましょう。
- 今のサイトの何に一番困っているか(問い合わせが来ない、情報が古い、スマホで見づらい等)
- リニューアル後、誰に・何を伝えたいか
- 競合他社と比べて、今のサイトはどこで見劣りしているか
KPIを数値で設定する
目的が定まったら、可能な範囲で数値目標に落とし込みます。たとえば「月間の問い合わせ数を〇件にする」「主要キーワードでの検索順位を〇位以内にする」など、公開後に振り返られる指標を1つでも決めておきましょう。そうすることで、リニューアルの成果を客観的に判断しやすくなります。なお、問い合わせにつながりやすいホームページの特徴も、ゴール設定の参考になります。
ステップ2:現状サイトの棚卸しをする
アクセス解析で「資産ページ」を洗い出す
Googleアナリティクスなどのアクセス解析ツールで、過去半年〜1年のデータを確認します。そのうえで、アクセスが多いページや検索エンジンからの流入が多いページを洗い出しましょう。これらのページは、会社の資産とも言えるものです。そのため、リニューアルの際に安易に削除したりURLを変えたりすると、これまで積み上げてきた評価を失うリスクがあります。
既存コンテンツを監査する
サイト内の全ページを「残す」「内容を直して残す」「統合する」「削除する」の4つに仕分けします。特にブログ記事や実績紹介ページなど、ページ数が多いサイトほど、この作業には時間がかかります。しかし、ここを丁寧に行うほど、リニューアル後のサイト構成はすっきりします。
ステップ3:要件定義と予算感を固める
刷新する範囲を決める
トップページのデザインだけを変えるのか、サイト構造やコンテンツも含めて全面的に作り直すのか。これによって、必要な期間・予算は大きく変わります。まずは「全面リニューアル」か「部分的な改善」か、方向性を決めましょう。
制作会社を選ぶ・予算感を把握する
制作会社選びのポイントは、別記事で詳しく解説しています。また、費用相場についてはこちらの記事もあわせてご確認ください。なお、条件によっては補助金を活用できるケースもあるため、予算面で不安がある場合は検討してみましょう。
ステップ4:SEO評価を落とさないための引き継ぎ設計
ここが、今回のリニューアルで最も慎重に進めたいポイントです。
URL構造の設計とリダイレクト(301)計画
URLを変更する場合は、旧URLから新URLへの301リダイレクトを必ず設定します。ステップ2で洗い出した「資産ページ」については、1ページずつリダイレクト先を対応表にまとめておきましょう。そうすることで、公開時の作業漏れを防げます。
メタ情報・見出し構造の移行チェック
各ページのタイトルタグ・メタディスクリプション・見出し(h1〜h3)の構成は、検索エンジンがページの内容を理解するうえで重要な要素です。しかし、デザインを刷新する際にこれらの情報が引き継がれず、抜け落ちてしまうケースが意外と多くあります。そのため、旧サイトの内容を一覧化してから新サイトに反映することをおすすめします。
被リンクの棚卸し
他社サイトから自社ページへのリンク(被リンク)がある場合、リンク先のURLが変わるとリンク切れになってしまいます。特に評価の高いページについては、リンク元も含めて事前に把握しておきましょう。
ステップ5:制作・移行を進める
ステージング環境でのテスト公開
本番環境に反映する前に、ステージング(検証用)環境で表示確認を行います。特に、リダイレクトが正しく機能しているか、フォームが正常に送信できるかは、公開前に必ずテストしておきたい項目です。
公開直前の最終チェック
新規公開時と同様のチェック項目(表示崩れ、リンク切れ、問い合わせフォームの動作確認など)は、こちらの記事でも詳しくまとめています。公開直前の確認リストとして、あわせてご活用ください。
ステップ6:公開後の効果測定
公開直後に確認すべき項目
公開後はまず、Google Search Consoleで新しいURLが正しくインデックスされているかを確認します。また、リダイレクトが意図通りに機能しているかもあわせてチェックしましょう。想定外のエラーが出ていないか、公開から数日は特に注意して見ておきましょう。
1ヶ月後・3ヶ月後に見るべき指標
ステップ1で設定したKPIをもとに、公開から1ヶ月後・3ヶ月後のタイミングでアクセス数・問い合わせ数・検索順位の変化を確認します。リニューアル直後は、一時的に数値が落ち込むこともあります。しかし、想定より大きく下がっている場合は、早めの対策が必要です。なお、公開後の運用や改善の進め方についてはこちらの記事でも詳しく解説しています。
まとめ
ホームページリニューアルは、デザインを新しくすること自体がゴールではありません。目的とゴールを明確にし、既存サイトの資産を引き継ぎながら進めることで、初めて成果につながります。特にSEO評価の引き継ぎは、公開後にやり直しがきかない部分も多いため、事前の準備が重要です。
リニューアル全体の考え方については、こちらの記事でも詳しく取り上げていますので、あわせてご覧ください。
「何から手をつければいいかわからない」「今のサイトの何を残すべきか判断できない」という場合は、現状サイトの診断からお気軽にご相談ください。